只今 国の国庫補助事業として重要文化財の書院のこけら葺屋根を一部葺替中です。ご迷惑をおかけします。
こけら葺とは薄く割った板を重ねて竹釘で留めた屋根のことですが、数奇屋風書院の「起り屋根」(下に反った屋根)に用いられられます。こけら葺の屋根にすることにより、たいへん優雅な雰囲気の建物となります。特に屋根の曲線部分は見事です。曼殊院の書院屋根は雁が二羽重なって飛んでいる姿を表しています。
葺替工事は夏が終わる頃には完成予定です。

こけら葺の屋根は薄い板を重ねているだけなので30年もちません。約 25年過ぎると雨漏りがしてきます。また猿・ハクビシンなど小動物が屋根に上がり、爪で引っかき穴を開けたりします。
数奇屋風書院の数奇屋とは、茶室の手法を取り入れた建物をいいますが、茶の道を究めようとする方は、諸行無常を理念とされていますが、まさしくこのこけら葺屋根をみていると、諸行無常を実感いたします。
また足場ですが、昔ながらの丸太で組んで設置しています。この技術はたいへん貴重なものだそうで、京都でもこの技術を持った職人さんは少ないそうです。

梅雨に入りました。梅雨は五月雨といい、「さ」は神様にささげる稲のこと。また神様のことをいいますが、「みだれ」は水垂れのことだそうです。また今青葉若葉が美しい季節ですが、青葉若葉とは濃淡さまざまの緑がまじったさまのことで、曼殊院の庭園は雨の日はひときわ青葉若葉・苔が生々と生気をみなぎらせ、私たち人間にも元気に生きる力を与えてくれているようです。

     万緑の中さやさやと楓あり  青噸





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